組合員の皆様におかれましては、益々ご清祥のこととお慶び 申し上げます。
平素は、当土地改良区の運営に対し格段のご協力、ご指導を賜っている ことにつきまして心より厚くお礼申し上げます。令和6年3月には、書面 開催となっておりました通常総代会を4年ぶりに対面形式で開催し、また 提出議案は全て原案のとおり可決していただきありがとうございました。
さて、各種事業のご報告についてでありますが、「国営施設応急対策事業(五条吉野地区)」では、昨年度 末に平成31年度から続く工事が全て完了しました。幹線用水路については、管体の更新により腐食による 漏水が解消されました。さらに、揚水機場については、ポンプの分解整備及び電気設備の更新により、施設 の機能が保全されることとなりました。このことにより、農業用水の安定的な供給と維持管理の軽減が図ら れ、地域農業の生産性の向上と農業経営の安定にますます貢献するものと確信しております。
現在、未来の農業に向けて「スマート農業技術の開発・実証」事業にも取り組んでおります。近畿大学、 奈良県、民間企業と産官学連携し、自宅にいながらほ場にかん水ができるシステムや微気象(気温・土壌水 分等)から柿の収穫量を予測できるモデルの開発・実証を進めております。こうしたかん水に係る作業をス マート農業化していくことで、労働力不足を緩和するだけでなく、体力的負担も軽減し営農しやすい環境が 築かれていくと考えております。
続いて、ハード面の整備である「県営畑地帯総合整備事業(栃原地区)」についてであります。この事業 は一の木ダムの水利用率が低く、既成畑に水が行き届いていない状況の中で、モデル地区として湯塩地区と 栃原地区で行われております。ご存じのとおり、湯塩地区は一昨年に整備されましたが、栃原地区では令和 8年度末までにパイプラインの敷設及び新設給水スタンドの整備を行っていく予定です。
さて、令和7年3月に当土地改良区が設立されて50周年となります。このような歴史的な節目を迎える にあたって、記念事業実行委員会を立ち上げ、実行委員長には理事の芳田氏に、委員には6名の理事の方々 になっていただいており、記念事業の一環として、記念式典が令和7年4月に開催されることが決定してお ります。最後に、役員並びに職員一同、現状に甘んじ維持していくのではなく、悪しき前例踏襲主義を止め、 改善に向けて変えるべき所は変えるといった意識のなか、組合員の皆様から必要とされる土地改良区を目 指して参る所存でありますので、今後ともよろしくお願いいたします。
五條吉野土地改良区 理事長 寺本 保英